Mouse without Bordersでルータを超える

Microsoft The Garageから提供されたMouse without Bordersは、Synergyのような、一台のキーボードとマウスで、他のPCを操作できるソフトウェアです。

Microsoft download from The Garage: Mouse without Borders – Next at Microsoft – Site Home – TechNet Blogs

これがかなり便利で、複数のPCを使う人にはぜひおすすめしたいところです。

Synergyと比べて、優れている点はこんなところです。

  • 人に勧められるレベルの簡単さ
  • UAC対応
  • ファイルのコピーがスクリーン間でドラッグアンドドロップでできる
  • 2台のPCのどちらのマウス(キーボードでも可)を使っても、双方向に操作できる
  • 1台のマウス(キーボードでも可)で複数のPCに、同時に同じ操作をさせられる
  • スクリーンの位置設定なども自動的に同期してくれる
  • ログイン前でも操作可能

Windowsキー+Lでのロックは、SynergyでもMouse without Bordersでも同じように両画面ロックしてしまうみたいですね。

インストール方法はこちらを参考にしてください。

窓の杜 – 【NEWS】Microsoft、複数PCでマウス・キーボードをLAN共有する「Mouse Without Borders」

で、今使っているLANの中に、もう一台ルータがいて、その中でまた別のネットワークを構築しているのですが、そのネットワーク内にあるPCと、外側のPCとでMouse without Bordersを使ってみました。

ちなみにWINSはない環境です。

image

Mouse without Bordersはコンピュータ名で接続先PCを特定するため、コンピュータ名からIPが特定できないといけません。

まず、それぞれのPCのhostsファイルに相手のIPを記述します。

PC1 C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts
192.168.0.10 PC2

PC2 C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts
172.16.10.1 PC1

ルータにはファイアウォールなどは入れていないので、これだけの設定でPC2からPC1への接続はできます。もしPC2からPC1を操作するだけなら、これで十分です。

双方向操作や、PC1からPC2を操作する場合はもう少し設定が必要です。

Mouse without BordersはデフォルトではTCPで接続するようになっています。使われるポート番号は15100と15101です。これをルータでアドレス変換してあげる必要があります。

AirStationでの設定はこんな感じです。

image

ちなみに15101だけでも接続できました。15100は何に使っているのか謎です。

これでルータは通るようになりましたが、192.168.0.10がどこを指すのか、PC1にはわかりません。

ですので、静的ルーティングを設定します。

管理者権限でコマンドプロンプトを開いて、
> route -p add 192.168.0.0 mask 255.255.255.0 172.16.10.2
とすればOKです。-pオプションは永続化です。

これで快適に2台のPCを操作できるようになりました。


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